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21)航空会社顧問医

 2006年からKLMオランダ航空の顧問医、2010年からはエールフランスの顧問医も兼ねるようになりました。航空会社の顧問医の仕事は、機長や客室乗務員などのエアラインクルーが日本滞在中に体調を崩したり、怪我をしたときに医療を提供したり、適当な医療施設を紹介したりすることです。乗客の医療にはタッチしません。

  クルーはもともと頑健な人が選ばれていますし、定期的な健診も受けているので、めったなことでは体調を崩しません。しかし、二社を掛け持ちしていると平均して月に一度は診療依頼があります。これはあくまで平均であって、続くときは不思議に続きます。3週続けて依頼があったこともありました。逆に3ヶ月間平穏な時もあります。

 二社とも木戸医院からタクシーで30分の大阪市内のホテルが定宿です。ですから、日中に診療依頼があったときは、ホテルからタクシーで医院まで来てもらいます。航空会社はホテルにとっては上客なので、医院への連絡やタクシーの手配などは手慣れたホテルスタッフがすべてを仕切ってくれます。問題は深夜の診察依頼です。私がアルコールもあまり入ってないときは、逆に医院からタクシーをとばしてホテルに往診します。しかし、年に何度かはそれが無理な時もあります。一度、救急車を呼んでもらって、救急病院を探してもらったことがありましたが、その時はすべての病院から日本語の通じない患者はお断りということで、困ったことがありました。(「国際都市オーサカの夜」参照)
 深夜や休日に往診しても、処方せんを受け付けてくれる薬局がなければ薬が手に入りません。これは、木戸医院の隣にある薬局の薬剤師さんが、いろいろ調べてくれて、市内には深夜も休日も開店している薬局がかなりの数で存在することが分かりました。皆さんも知っておかれると役に立つことがあるかも知れませんよ。

というわけで、木戸医院は「国際都市オーサカ」の医療インフラの一端を担っていることを報告しました。

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木戸友幸
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