日本プライマリ・ケア連合学会の大阪地区勉強会である「プライマリ・ケアを語ろう・おおさか」第27回の会合が、7月28日大阪市内で開催された。同会は会費のみで運営される自由度を重視し、参加型・体験型の企画を特徴としている(代表世話人は梶山泰男氏/東)。
今回は、「あなたの診療所に外国人が受診したら!」と題し、英語対応の外国人患者への対処の仕方について、世話人の一人でもある木戸が講演した。
自らの持つ英語力を100%生かすにはどうするか。それには、まず外国人患者への第一声に、ゆっくりした簡単な日本語を使うことを提唱した。これで、医師側の焦りがとれ、心にゆとりができる。次に、患者の早口の英語を、ゆっくりした分り易い英語に変える必要がある。このときは、Listen
to me first.と相手の注意をこちらに向け、「ゆっくり、簡単な単語で喋ってくれないと、理解できない。理解できないと、診断、治療ができない。」と明確に伝えるのがよい。この最初の医師?患者間のやりとりを、寸劇で実演した。患者役を、英語の堪能なイラン人のファクレジャハーニ医師に演じてもらった。外国人患者の満足度は、彼らの医療文化(医療の社会・文化的背景)をこちらが理解することによって上がる。その実例を挙げ、各国の医療文化を習得するコツについても言及した。最後に、英語での紹介状や証明書の書き方について解説した。
ファクレジャハーニ医師には、外国人患者と日本人医師の関係性をいかにうまく保つかについての講演をしていただいた。しっかり患者を観察し、持ちうる英語能力を出し切って説明を丁寧にして、患者の信頼を得るというシンプルな内容であった。
この後の討論は、日本語での質問には日本語で、英語での質問には英語で答えることにした。すると、英語での質問が予想外に多く、今更ながら関西人の積極性、あるいは「ノリの良さ」を再認識した次第である。
本会恒例の、管理栄養士とホテルシェフによる健康ランチでは、「糖の吸収を遅らせ上手に糖質を食べる」をテーマにした。初登場のパスタも、講師の先生のお国料理スープやシシケバブも加わり、非常に好評であった。
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