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64)花火にまつわる思い出

 日本の夏の風物詩である花火は国際的にも、やはり夏のイベントには欠かせないアトラクションです。私が各々数年間生活した、ニューヨークとパリでも、花火が欠かせない夏のイベントがありました。ニューヨークは7月4日の独立記念日(Independence Day)、パリは7月14日の革命記念日(日本ではパリ際と言い慣らわされ、フランスでは単にQuatorze Juillet=7月14日)の一番の目玉が打ち上げ花火なのです。

  ニューヨークの7月4日の花火は、2回観ました。アメリカの研修医のスタート日は7月1日なので、初年度は花火見物などに行ける余裕はなかったのです。2年目は、一年下の研修医、バートのブルックリンハイツ(ブルックリンの西の端にあり、花火の上がるイーストリバーに面している。)のアパートのベランダから眺めました。バートはイタリア系で、得意のパスタとサラダと赤ワインでもてなしてくれました。3年目は、帰国の直前だったのですが、最後のニューヨークということで、知り合いの日本人仲間とイーストリバー沿いに繰り出し、花火を見学した後、グリニッジビレッジの私のアパートに戻り、そこでビールを飲みながら、ニューヨーク生活最後の独立記念日を祝いました。

 フランスの「7月14日」はアメリカの独立記念日のように夜だけ盛り上がるのではありません。むしろ、昼間の方がいろいろな出し物があり、見所が多いくらいです。フランスといっても、この国は徹底的にパリ一都市に何もかも集中しているので、パリのみでそれらの出し物を楽しめるのです。パリのシャンゼリゼ通りを、兵隊さんが行進するのですが、最後に行進するのが、日本でも,特にフランス映画のファンによく知られている「外人部隊」です。その行進の途中に上空をフランス空軍の戦闘機の編隊が低空飛行するのが定番になっています。
 夜の花火は、セーヌ川沿いが人気のあるスポットです。しかし、昼間のシャンゼリゼにしても、夜のセーヌ川沿いにしても、なにしろ人が多過ぎます。こういう時に、人脈が豊富だと、シャンゼリゼを見下ろすビルの会社オーナーや、セーヌ川沿いの高層マンションの住民から、招待を受けたりするのですが、私は残念ながら、そういう機会には恵まれませんでした。

 関西でも、夏は天神祭、淀川花火、神戸海上花火、芦屋浜花火、PL花火等々と花火の催しは数多いです。でも、どれも人が多すぎて、見物に行く気はおこりません。もっぱら、テレビで打ち上げ花火の映像を、ビールを飲みながら鑑賞しつつ、ニューヨークとパリの思い出に耽っています。

 2017年8月5日、久々に本物の花火を観に行きました。「みなと神戸海上花火大会」です。今回は神戸開港150周年ということで、1万5千発の花火を1時間かけて打ち上げました。同日に開催された神戸新聞ビル4階松方ホールで行われたオペラコンサートは、この花火大会に連動しており、コンサート終了後、このビル4階のバルコニーから花火見物としゃれこむという趣向でした。この花火は掛け値なしに、これまで観たものの中で最高のものでした。花火の量と質、見学のロケーション、その前のコンサートの余韻、そのどれをとってもNYC、Paris、その他の関西の花火のどれよりも群を抜いて素晴らしかったです。

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木戸友幸
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