3) 黄疸?
30代前半のアメリカ人男性が、手が黄色くなってきたので肝臓がやられたに違いないと思い受診しました。それが心配で最近は夜も眠れないと言います。
彼は英語教師で、つい数カ月前に来日したばかりで、日本語もしゃべれず友人もなく、かなり不安そうな様子でした。
診察すると、確かに両の手のひらは少し黄色みを帯びていますが、白目に黄色みはく、身体の他の部分にも黄色みはありませんでした。その旨を説明し、念のために肝機能を調べる血液検査をしました。もちろんその結果は正常でした。
一週間後の再診の時に結果を説明すると、彼は本当に晴れ晴れとした顔で、帰っていきました。
恐らく、両手のみの黄疸?は、ミカンやカボチャなどの黄色い色素の多い食物をたくさん食べたことが原因であったと思います。この黄疸恐怖症は、日本人でも時々経験します。根底にあるのは、心理的な不安です。異国で、言葉がしゃべれず、話し相手もいないといったこのアメリカ人男性は、こういう症状が一番出やすい状況にあったわけです。こういう患者の症状を改善させる方法は、ここに示したように、患者が納得のいくような証拠を、その患者の理解する言語で明快に説明することなのです。
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