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173)二人の国際ジャーナリストの死

 2026年2月1日に、二人の「国際ジャーナリスト」の訃報がネットで報じられました。落合信彦氏とモーリー・ロバートソン氏です。お二人とも、私のイチオシのジャーナリストだったので、かなりのショックを受けました。また、落合氏の死亡年齢が84歳、ロバートソン氏の年齢が63歳と私の現在の年齢74歳の10歳上下の差があるのも何か考えさせるものがあります。

 落合氏は、私が3年間のニューヨークでの留学生活から帰国直後の1980年代半ばごろから怒涛の如くモサドやCIAが絡む国際諜報に関するノンフィクションやフィクションを出版され、そのかなりの著作を読みまくったことを今でも覚えています。妻がその頃、私のその読書傾向を揶揄っていましたが、ある時から「書店で落合信彦の新刊が出てたわよ。」と情報提供してくれるまでになりました。確かに彼の著作は、海外諜報ものが好きな人間にとっては、非常に魅力的なものでした。でも、ある時期から、これはちょっと盛り過ぎかなとか、彼の地位で本当に元モサド長官とサシでインタビューができたのかとかの疑問が湧いたことも確かでした。これは、彼に批判的なジャーナリストも指摘していることです。でも彼の大ファンのテリー伊藤に言わすと、「彼は戦後日本の閉塞社会で007のような劇画の主人公を演じ、若者にプロレスの煽り的なメッセージを送ってくれた。」とうまく表現しています。やはり、落合氏は私にとって最高のエンターテイナーでした。

 ロバートソン氏は、著作こそ読んだことはないものの、主にテレビのワイドショーでの国際問題の解説で、その論旨を興味深く聞き入ったことが何度もあります。彼の一番の売りは東大を中退し、ハーバードで電子音楽を専攻というその学歴だと思います。(本人はどう思っていたか分かりませんが)若い時の写真などを見ると、かなり尖った人間だったようです。しかし、中年を過ぎ日本のメディアで活躍するようになってからは、落ち着いたユーモアも交えた語り口の好人物の知識人といった印象でした。報道では、食道がんで肝転移もある状態での死亡とありましたが、食道がん初期の段階で手術していれば、63歳という若さで逝くことはなかったのにと、残念でなりません。

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木戸友幸
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