L'ETE
1975(7)
7)学食を巡るエピソード
夏期講習中の食事は三食ともほぼすべて学食で食べていました。大学は街の繁華街からかなり離れたところにありますから、ほとんどの受講生がそうしていたと思います。三食とも学食というと、耐えられないと思われる方も多いかもしれません。確かに一般的に言うと、日本を含め、学食は安いけれどまずいというのが、常識ですよね。しかし、食の国フランスでは、この常識は当てはまりません。少なくとも私は三食学食で十分満足していました。私だけでなく、さまざまの国からの受講生も食事にはほぼ全てが満足していたようです。ロンドンで英語の夏期講習を終えてから、グルノーブルでフランス語を学びに来た日本人と話したことがありました。その彼が言うには、グルノーブルに来て一番感激したのが、学食の料理の美味しさだったそうです。でも比べる相手がまずくて有名なロンドンの大学の学食ですから、例としては参考にならないですね。
朝は、もちろんカフェオレとクロワッサンが定番です。クロワッサンは焼きたてで香ばしく、何個食べてもいいのです。ジュースは生のオレンジを絞って出してくれました。コーヒーのだめな人は、もちろん紅茶もあります。レモンティーがテオシトロン、ミルクティーがテオレと言います。昼食と夕食は、日替わりメニューで、ウサギの煮込み料理など結構こった料理もありましたが、定番はステーキにフライドポテトの付け合わせのビフテキ・フリットです。これにサラダとパン、パンは焼きたてで、もちろん食べ放題でした。学食の片隅にはワインの小瓶の自動販売機があり、自由にワインも楽しむことができました。味付けもなかなかのもので、夏期講習中は外のレストランに食べに行こうとはまったく思わなかったです。
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