L'ETE
1975(18)
18)ナオミさんからの恋愛相談
小旅行から戻って数日たった頃、ケイコさんから彼女の友人のナオミさんの相談に乗ってやって欲しいという依頼がありました。その日の昼休みに3人で会うことになりました。その日初対面のナオミさんは、30代前半に見える細身の女性で、何と浴衣を着ていました。「日本人のユニークさを出すには、夏はこの浴衣姿が最適なのよね。」と言動もなかなかユニークな人でした。
さて、このナオミさんの相談というのは案の定、恋愛に関するものでした。ベネズエラ人の男性と親しくなり、滞在中だけ食事くらい一緒にするくらいの軽い付き合いをしようと思っていたら、向こうは本気のようで、最近では恋人気取りで、結婚まで考えている節があり困っているというのがその内容でした。
これは、国際的にみると、明らかにナオミさんの認識不足で、成人の男女の間でプラトニックな友人関係が存在し得るのは先進国の中では日本のみなのです。そういうプラトニックな関係を表す日本で言うボーイフレンド、ガールフレンドは、英語国では普通、肉体関係のある異性の友人のことを言います。ラテン系の国では、この関係が英語国におけるより、さらに数段ルーズなものになります。
我がクラスのベネスエラ・コネクションを使って調べてみると、確かにナオミさんの「ボーイフレンド」は彼女を自分の恋人と認識しているようで、彼女が自分と、もっと親密になることをどうして拒むのか理解できないといっているようでした。
この恋愛に関する誤解も、海外に出た日本女性が非常によく陥ってしまうものなのです。パリで邦人医療に携わった時にも、この誤解がもとで人生を失敗した日本女性の相談に乗ったことが何度もありました。
| BACK
|