L'ETE 1975（１７）　

１７）小旅行　続

　最終の目的地の地中海に到着したのは、夕方でしたが、夏時間のフランスではまだ日は高く、十分水遊びが出来る時間帯でした。ケイコさん達の日本人グループは海水浴には関心がないようで、そこらを散策しに行ってしまいました。

　私は地中海で一度泳いでみたいと思っていたので、張り切って水着に着替えて海に向かうと、一緒に泳ごうと話しかけてきたのがナディアです。ルーマニア人のまだ20前の女性でしたが、フランス語は上級クラスでした。ナディアはちょっと太めでしたが、かわいらしい顔で泳ぎも上手で、高校で水泳部だった私より速いクロールで沖まであっと言う間に泳ぎ出て行きました。

　その後、ナディアと浜辺で世間話をして分かったことですが、ルーマニアから一緒に夏期講習に来ている仲間はすべて上級クラスなのだそうです。ルーマニアではその当時、フランス語は第一外国語でフランス語の上手な学生は多くいたようです。帰りのバスの中でも、日本人グループから離れて、ナディアと隣どおしでフランス語の勉強を兼ねて、フランス語でとりとめもない話をしていました。

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