L'ETE 1975（１６）　

１６）小旅行

　滞在中に希望者に対する週末の日帰りでのパスでの小旅行がありました。早朝に出発し、プロバンスの小都市をいくつか周り、地中海まで出て、海で遊んだ後、夜にグルノーブルに戻るというものでした。

　3〜40人の参加者があったように記憶しています。同じクラスからの参加者はいませんでした。日本人の参加者も数人いて、すべて初級クラスの人たちで日頃付き合いのない人たちでした。その中にケイコさんという関西人の女性がいて、私が多少フランス語が出来るということと、同郷のよしみで、何だか旅行中べったり引っ付かれてしまいました。

　確かアルルだったと思いますが、そこで昼食休憩になったのです。フランスらしく、各人自由にレストランなり店屋で何か買うなりして昼食するということで、集合時間だけを決めて解散になりました。ケイコさんを含めた日本人グループは自然一緒になり、レストランを探して食事しようということになりました。私以外はすべて女性なのですが、海外に出ると日本人女性は、かなり感情がハイになるのか、レストランの好みもやたらうるさいのです。ああでもない、こうでもないといくつものレストランで交渉させられ、やっと５軒目のレストランで食事することになりました。食事は皆それなりに満足してくれたのですが、路地を行ったり来たりして探し当てたレストランなので、帰りに集合地が分からなくなってしまったのです。さんざん迷ったあげく集合地にたどり着いたときは20分遅刻でした。この小旅行の責任者のフランス人女性から「さぞ美味しいお昼ご飯だったんでしょうね。」と皮肉を言われてしまいました。

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