L'ETE
1975(14)
14)バルの翌日
パルとはフランス語でダンパ(ダンスパーティー)のことです。そのバルに誘われて行ってきました。その当時、私はコンタクトレンズをしていたのですが、ハードコンタクトで、10時間以上も装着していると、角膜を痛めてしまって翌日、目が腫上がり大変なことになることがしばしばありました。
そのバルの夜も、アルコールも入って楽しんでいるうちにコンタクト装着時間は優に10時間を超えてしまいました。案の定、翌朝は片目が腫上がり、白目は充血して真っ赤でした。授業の合間の休み時間に、声を掛けてきたのは、男前のエンリケでした。「トモユキ、どうしたんだ、その目の腫れは。昨夜はバルだっただろう。そうか、誰かと女を巡って殴り合いか?」ととんでもない推理です。でも、ラテン系の彼等からすると、この発想がまともなのかも知れません。私も本当のことを言うのがちょっと恥ずかしくなって、「まあそんなところかな。」と答えました。それから、ベネズエラ軍団の中でも男女のことにかけての話題にもっともこと欠かないエンリケに一目置かれるようになりました。
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