ブルックリンこぼれ話(38)
夜の騒音
ブルックリンからマンハッタンのアパートに越してから気付いた一番の違いは、夜の騒音です。もちろんマンハッタンのアパートの方が一段と騒音がひどいのです。僕の住んでいた階は12階だったのですが、そのくらいの階だと街の騒音はかなり響きます。
まずは、車の騒音です。マンハッタンは眠らない街です。例え深夜になろうと、車の動きは止まりません。真夜中を過ぎると特にうるさいのが、パトカーと救急車です。嫌がらせのように変な節をつけてサイレンを鳴らす救急車もいます。
車のように毎夜ではないですが、金、土の週末の夜は、アパートのどこかの部屋でパー ティーが開かれています。これが、すぐ上の階だったりすると最悪です。夏だと、窓を空けているので、音楽とベランダに出た人たちの大声での会話で、寝れたもんではありません。
82年のワールドカップ・サッカーで、イタリアが優勝したのを覚えてますか?アメリカではサッカーはそれほど人気のあるスポーツではありません。しかし、南米やヨー
ロッパにゆかりの深い人々でサッカーファンもある程度はいるのです。テレビ中継で 深夜にイタリア優勝が伝えられると、その直後から近くの、リトル・イタリーのあたりから、イタリア系の人たちが車を出して、個人的な優勝パレードを始めました。ク
ラクションをブーブー慣らして、大声で「イターリア、イターリア」と叫ぶのです。
面白いのは、英語風のイタリーではなくて、母国のイタリア語風にイターリアと叫んでいたことです。アパートの部屋から経験した、一番印象に残る騒音=乱痴気騒ぎは、
このイタリア優勝の夜の騒ぎです。
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