ブルックリンこぼれ話(35) 
アカプルコの思い出(2) - 13階で降りると・・・ -
さて、アカプルコでの休暇も3日目になり、当地での生活にも慣れてきたころの話です。泊まっていたリゾートホテルの客はほぼ全員、観光客でリラックス・モードで、冗談を言い合っています。
僕もニューヨーカーの端くれとして、何か気の利いた冗談を言おうと手ぐすねを引いて待っていました。ホテルのエレベーターに乗ると、あることに気づきました。このエレベーター、正面とその向かい側の面にもドアがついていました。でも正面のドア
しか使っていないのです。顔見知りになった観光客数人とそのエレベーターの箱の中 にいるとき僕は独り言のようにつぶやきました。
「この反対側のドアはねえ、13階でだけ開くんだよ。でも、間違ってもそこで降りちゃいけないよ。一生戻ってこれないから。」
他の客は、最初、キョトンとした顔をして、静寂を保っていましたが、きっかり5秒後にくすくす笑い始めました。キリスト教国ではよくあることですが、そのホテルも13階は存在しなかったのです。

アカプルコの崖
ここから人が飛び込むので有名
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若き日のドクター木戸
右腕のギブスは3ヶ月前の交通事故のため
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