ブルックリンこぼれ話(21)
ブルックリン・ハイツ
ブルックリンの一番西側でイースト・リバーを隔ててマンハッタンと向かい合っている地域をブルックリリン・ハイツと呼びます。ここは、ブルックリンの「汚くて危険」
というイメージとはちょっと違った地域なのです。一口に言えば、高級住宅街です。 土地の少ない都会ですから、一戸建てはほとんどなく、アパートそれも結構年期の入ったアパートなのですが、街の風情とマンハッタンの夜景が売りの高級アパートがたくさん立ち並んでいます。
僕が研修をしていた、家庭医療科の教授もこのブルックリン・ハイツの住民でした。最初に面接で行った時と、研修が始まってからの教授主催のホーム・パーティーの時の二度、彼のアパートを訪ねたことがあります。アメリカの標準では狭い部類に入るアパートなのですが、やはり夜景が綺麗で、リビングの大きな窓からのマンハッタンの夜景は、パーティーでの一番の盛り上げ役になります。
有名人もこの界隈にたくさん住んでいて、その教授もときどきウッディ・アレンにすれ違うことがあると言っていました。そう言えば、アレンの映画の主人公にも、ブルックリン・ハイツの住民が幾人かいたように思います。
レジデント仲間にもブルックリン・ハイツの住民はいました。イタリア系アメリカ人のバートです。彼のアパートには、イースト・リバーを見渡せるかなり広いベランダがあったのです。7月4日の独立記念日にそのベランダでパーティーを開いたことがあります。バート得意のパスタ料理とサラダに舌鼓を打ち、ワインを飲みながら眺めたイースト・リバーに上がる花火は今でも忘れられない思い出です。
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